マナ板上手

彼らは動いていなかった。
動いているのではなく、静止画をものすごい速さで見せられている。そんな錯覚を覚えた。
この立体感は、まるで騙し絵。立体のはずと思っていたら、実際は秒速の速さで切り取った瞬間瞬間が重ねられている。
それ自体の色は無く、セピアの写真が光線の具合や角度で、同じ写真のはずが少しずつ違う色を見せるよう。
黒が基調に見えて、本当に効いているのは浮かび上がる白。純白では決して無い、黒味がかった、それ。飾りたてれば飾るほど個人のオスとしての個性は消えているのに、その代わりに浮かび上がる虚飾で虚構のKATーTUNの「LIPS」という作品の個性。二次元的で無機質であるはずなのに、この映像自体が鼓動を打って、6人を操り、見ているワタシの感覚へ知らぬ間に距離を近づける。夢中になっているところに、気配を感じて振り返ると、してやったり、と底意地悪く極上の微笑を見せてワタシを見下ろしてる。驚いて硬直しているワタシの足元を見ると、そこにはいつの間にやら両足に蔓が絡みついていて・・・・ ・ ・ ・!

んなわけねーーーーーーーーーーーだろ!!!

てなことも想像しちゃうってくらい、今回の映像は「生気が無い」(笑)。この前のスペサルで最初に映像を見たとき「チッ、踊らねえのかよ」といちゃもんつけたけど、ごめん。謝る。デビューからのPVの中で、一番これ好きかもしれん。なんというのか「ぎゃあ、カツンかっこいいー」ていうんじゃなくて*1
「素材」
に徹している(そういう風に徹せさせられている)カツンのマグロっぷりが素晴らしい!!そしてその素材の良さをいい意味で活かさず(笑)。あえてリミックスさせている所が作品として非常ーーーーーーーにワタクシ気に入りました。個人的にかっこつけカツンよりは、おまぬけカツンの方が好きなのですが(例:ろってCM)、ここまで徹底して個性を出させず、ストーリー性もなく、抽象的な「映像作品」と呼びたくなるようなPVに仕上げてくださった監督のセンスに今回は、ホレたぜ☆乾杯!これ、監督どなたなのかしら?喜び→キザフェ、の路線とは似て、けど全く非なるものを感じるわ。メッセージ性が全く感じられないのが、逆に見ている側に想像する隙を与えてくれている、見えない計算高さがたまらんですわ!!!
この作品がどういう風に作り上げられていったのか、企画の段階からの完全メイキングが見たい。メンバーは絡んでいるのかしら?とか。カメナっさんのメイクは自ら提案なさったのか、とか。すっっっっっごい知りたーーーーーーーーーい!
個人的には田中。のお2人にもっとメイクをお願いしたかったわ。お2人ともこの手のメイク似合わないはず無いと思うので、ごってり塗ってガッツリなりきって頂きたかった!せめてPVだけでも!!
あーーーー、このPV、思わぬ収穫だったなあ。早く大きな画面で見たいなあ。ヒヒッ。
・・・で、なんでジャケ写があれ?というのは愚問ですか?J-ワンさん?

*1:すまん